2023年04月06日

東海市の建築設計事務所 空間工房 服部です。
主に、木造住宅の新築、リノベーション、
耐震・断熱などの性能UPを兼ねたリフォームの
設計監理の仕事と
庭づくりや建具など小さな工事の仕事をしています。
お客様から、直接依頼を頂くことが多い設計事務所です。
住宅専門の設計事務所の日々をお伝えしています。





私が所属している耐震ネットワーク知多・2022年度の総会の記念講演は、
名古屋工業大学教授で、
株式会社LIFULL ArchiTech (ライフル アーキテック)代表取締役でもある
北川啓介先生でした。

北川先生は、
上の写真のような「インスタントハウス」を研究して開発された方です。

「インスタントハウス」は、
現在、グランピングの宿泊用施設などとして販売されています。

この「家」の始まりは、

先生が、
外国を訪れたときに見た
家に住めない人達がとても多い現状や

東日本大震災で、被災者の子供から、
「どうして、仮設住宅をつくるのに、何か月もかかるの?」
「大学の先生なら、すぐに仮設住宅を建ててよ」と言われたこと。

それが、きっかけで、開発を始めたとのことでした。





一番上の写真の建物は、北川先生が、一人で数時間で建てられたそうで、

開発のきっかけである
「簡単につくれる」ことが、突き詰められているうえに、
形のかわいらしさも魅力的で
家としての性能もしっかり確保されている。

すごいです!!!




生家の稼業、和菓子店の「和菓子店職人」になる夢を抱きつつ、
建築の道に進まれたいきさつから始まり、

開発途中で、
新聞紙(パンフレット?)をセロテープで張り合わせて
作った空間(上の写真)は、
家庭用の送風機で膨らませたもの。
内外の気圧の差で形を保っています。

これで、東京ドームのサイズくらいまで大きなものも出来るというのは驚きです。


柔らかい素材(ぶつかっても痛くない)で、
小さくして現地に持っていけて、
コストをかけず、
簡単に、早くつくれる

5年の歳月をかけて、
このインスタントハウスの原型が出来るまでの開発のお話や
そこから、より良い形にするための実験のお話しは、
とても面白く、興味深いものでした!


この前のトルコの地震の仮設住宅として提供できないかという
お話も動き出しているらしく、
もし叶ったら、
うれしいなあ~すごいな~と思いながら聞いていました。


今、事務所では、
断熱性能や一次エネルギーの計算、
住まいの暑さ・寒さについて
勉強をしていますが、

このインスタントハウスは、
吹付のウレタンが構造になっているそうで、
(断熱材が構造!)

夏・冬の温熱環境についても、
大学内にあるインスタントハウスのほうが
コンクリート構造の研究室より、よい状態だそう。

(すごく、興味あり!!)

各地のグランピングや
名古屋工業大学などの実物を
見学に行き、
実際に空間を体験する機会をつくりたいと思いました。


関心のあるかたは、↓ ↓ ↓

インスタントハウスのHP


今回の講演を企画した
知多半島で耐震補強をしている専門家集団のHPはこちら ↓ ↓ ↓

耐震ネットワーク知多のHP

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