】佐布里の家

1964年に建てられた家の建て替えです。
増築が多くされていて、
使っていらっしゃる部屋は多くないものの、
建物面積は大きなお住まいでした。
それをすべて壊しての新築です。

この敷地は、都市計画上は市街化調整区域。
つまり市街化を抑制する地域にあります。

市街化調整区域での建て替えは、
まず建て替えが可能かどうかの調査から始めます。

今回は、
線引き前(※)から宅地になっていて、建物もあり、
必要な条件も満たしていましたので
K様に色々書類を揃えて頂き、
それを持って、知多建設事務所に確認をしました。
許可をとらずに、建て替え可能という結果で、一安心。
(※線引き前:
都市計画で、市街化区域と市街化調整区域が決められた時点より前の時期)

今回は、すんなりいきましたが、
市街化調整区域は、建替えや新築のために、
家を建てる前に許可が必要になるケースや
建築できない場合もあるので、ここは、慎重に調査!

市街化調整区域は「市街化を抑制する地域」なので、
見方を変えると、
市街地のような過密感がなく、
ロケーションが優れた場所だったり、
住環境としては、なかなか良い!ということが結構あります。

今回も、広々とした敷地です。

プランニングの時から
日当たりや風通しをK様のご家族様が気にされたいましたので、
それに答えられるようなプランにしています。

親戚が集まれる広さのリビングや
日中、炬燵に入ってくつろぐことが多いこと、
もし介護が必要になった時の対策などから、
LDK⁺和室という形になりました。

最近のプランでは、LDK⁺和室は、少なくなっているような気がしますが
これも、それぞれの家族の形です。

 

下の写真はお仏壇のスペース。

お仏壇を乗せる板
普通の新しいきれいな無垢板にみえますよね。

実は、この板、
建て替え前の家の床の間の板を再利用しています。
大工さんがきれいに仕上げてくださり、
新しい板のように見えますが、もともとは、こんな板でした。
【ブログ】知多市にて建て替え工事着工!
【ブログ】解体の時にとっておいた トチの板 

出来上がると、何でもないように見えますが、
実際は、作り上げた翌日、すごく板が反ってしまい、
大工さん、かなり苦労して仕上げてくださいました。

お仏壇を置く時にカタカタする可能性もあることと
その対処方法などをお話しして、
K様にご承諾いただきました。

木の難しいところ・・・です。

天板の下は、引き出しになっていて、
お仏壇に関係するものがしまえるようになっています。

 

廊下は、幅が広くゆったりしています。
贅沢な廊下です。

廊下から個室や水周りへの入り口の戸の上部は、
廊下が暗くならないよう&風が通るよう、
戸の上にも小さな引き戸が付いていて、
開け閉めできるようになっています。

 

個室です。

一面の壁に、3枚の引き戸を建て込んで、
壁面収納としています。

上部には、調光が出来る間接照明を入れて、
就寝時にまぶしくないように。

 

洗面室は、脱衣室と別でつくっています。

朝、天窓から光がおりてきて、
気持ちの良い洗面室です。

優先順位としては、
低くなりががちな洗面室ですが、
朝起きて、身づくろいをする空間が気持ち良いというのは、
これから始まる一日に、なんだか良い影響がありそうな気がして、
可能な限り、さわやかな空間になるよう計画をしています。

脱衣室にも天窓を取り付け。
ここは、洗濯ものを干すことも想定しています。

南から風が吹くとプランニング時に伺っていましたので、
居室の南の窓から入った風を
北の窓と天窓から抜く計画です。

天窓は、雨が降ると自動で締まるので、
仕事などで家を空けているときも、心配ないです。

 

こちらは、玄関のポスト。

外に出ずに、郵便物が取れるようになっています。

このポストの箱の材料は、
お仏壇スペースで使った天板の残り(建て替え前の住まいの床の間の板)で、
トチの板です。

デザインしたポストのサイズが、
天板の残りで、取れそうだということで、
大工さんが作ってくださいました。
職人さんの力って、ほんと、凄いです。

 

玄関戸を開けると、
雨よけ軒先に、垂木がずらーーっと。

外壁を
「そとん壁」という左官で仕上げたので、
その壁を保護する目的と
玄関を開けた時に、雨に濡れないようにすることも考えて、
軒は深めです。

表情の良さと
メーカーさんの話では、メンテナンスがいらないという「そとん壁」
私も好きな素材です。
詳しくは
高千穂シラスさんホームページへ

 



グリーンが好みなK様の希望で、
瓦と雨戸の戸袋がグリーンになりました~

  • 所在地
  • 知多市
  • 構 造
  • 木造平屋建て(在来軸組工法)
  • 延床面積
  • 約116㎡
  • 用 途
  • 専用住宅
  • 竣 工
  • 2021年
  • 施 工
  • 杉江建築
© 2018 空間工房 服部