】知多の家 リノベーション 2階建てから平屋へ

昭和53年建築(リノベーション時で、築42年)の住まいのリノベーションです。

これからの暮らしを考えて、平屋をご検討されていました。
 
「平屋を新築する(建て替え)案」
「2階建てを平屋にリノベーションする案」

どちらにしようか迷われていらっしゃいましたが、
リノベーションで進めることになりました。
 
クライアントのH様の希望は、
・車を2台、とめられるようにしたい
・敷地内への入口(アプローチ)を今の場所から変えたい
・浴室・トイレの位置を変えたい
・リビングにパソコン用のデスクが欲しい
という感じで、
希望される理由も説明してくださりました。
(これは、設計者にとって、とても有難いことです~)
 

before
after

 
既存建物の一部飛び出した部分(上のbefore写真の車庫の奥の部分)を撤去し、
駐車スペースを幅・奥行ともに広くしました。
 
以前は西側から階段を上がって入る形だった玄関までのアプローチは、
今回、アプローチを駐車スペースと一体にしたことで
明るく広い雰囲気になりました。
 
気持ち良いところから、お出かけ・帰宅というのは、嬉しいと思います。
 
将来のことも考えて、
玄関までは段差をつくらず、スロープで行けるようになっています。

ペットのカメさんの池を眺めながら、玄関へ

 
玄関の位置は、以前と変えていませんが
室内の間取りはガラッと変えています。
 
H様は、時間とともに経年変化する無垢板の床や木を使った
素朴な感じのイメージが好みでした。
(私も大好きです!)
H様の持っていらっしゃる暮らしのスタイルやイメージが共有でき、
ワクワクしながら設計させていただきました。
 

玄関です。
 
既存の建物の玄関先の柱(上の写真の1本だけで立っているこげ茶色の柱)が、
6センチほど下がっていて腐朽していましたので
基礎をしっかししたものに変更し、柱を取り換えました。
それに絡み、
玄関ポーチの高さ(土間の高さ)を上げなくてはいけない状況に・・・
 
結果的に、床から玄関土間におりる段差が設計時より小さくなりました。
図らずも、使いやすくなったことは良かったです

LDKとのメリハリをつけるため、玄関はコンパクトに。
正面に見える、窓の下の壁に取り付けてある木は、
空間のアクセントとともに、
壁に触れにくくする効果と手すりの機能を持たせています。

 
玄関を抜けるとLDKです。

外に向かって広がっていくよう、天井に勾配をつけています。
廊下からリビングに入ると、ぱーっと視界が開けます。
 
リビングと対照的に
玄関・廊下の空間を小さくまとめ、
空間にリズムをつけました。
 
奥に見える畳の間は、3畳。
普段は床に座ってくつろぎたい時などに~
泊まりに来られたお客様のお部屋にもできます。

和室とリビングの境の柱(写真の真ん中に立っている柱)は、
もとの家の通し柱です。
元の柱に桧の板を張り、
新しい柱のようにしました。
場合によっては
そのまま見せたりすることもあります~
 
在来構法の木造のリノベーションは、かなり自由にできますが、
重要な柱は抜けなかったりetc、
新築と比べると、やはり自由度は劣ります。
 
空間工房 服部では、
計画段階で、建物の状況を出来る限り把握して、
今ある物を活かせるようなプランニングをしています。

 

空間工房服部のオリジナル シンプルなオーダーキッチンです。
キッチンメーカーのような豪華さや効率性はありませんが、
素朴で、シンプル・工夫して使えるので、
H様には気に入っていただけるのでは?と思い、提案致しました。
 
上の写真、
板の壁の向こうには冷蔵庫を、
手前の棚には電子レンジなどの家電を置く予定です。

キッチンの向こうに見えるのが
H様の念願だったパソコンデスクです。

1.7m近く長さがあり、
ゆったりと使っていただけます。
本や飾りも置けるように、棚も製作。
大工さんがきれいにつくってくださいました。
 
LDKの全体です。

もとの建物を活かしながらH様の想いを形にした結果、
LDKにテレビスペースや畳の間・パソコンスペースなどのくぼみがついて、
それぞれの場所が緩やかに区切られた空間が出来上がりました。

これは、
新築ではなくリノベーションだからこそ出来た空間かなぁと思います。
 
 

個室は、
本棚で緩く仕切られた形になっています。
窓の障子と個室への入口の障子は、
もとの家に使われていたものを
きれいになおして、使っています。

今まで使ってきたものを活かして
家への想いをつないでいけたら・・・・と。
コスト削減にも一役買っています。
 
寝室にはウォークインクローゼットも併設。
 

廊下から、トイレ(左)・洗面室(正面)
廊下が暗くならないよう、
寝室の入り口を障子にしたり、
LDKからの光を取り込めるようにしています。

H様の思い出のある、手持ちの黒柿の板を使って、
トイレの手洗器の台を大工さんに造っていただきました。
特徴のある板の形と色を上手に活かされています!
個性の強い板でしたので、
どこに使おうか、かなり迷いましたが、
大工さんから提案を頂き、決まり!
 
「トイレの空間」に使用するのが、どうかな?と心配しましたが、
H様にもOKを頂きました。
 
毎日、目にするところにあるのは、良いですね。
その時のブログは、こちら。
『知多のリノベーション:思い出の黒柿の板』
 
トイレの手すりも
設計時は、集成材の予定でしたが、
大工さんから「手持ちの材料を使ったら?」という提案を頂き、
H様にも気にってもらうそうなものに材料を変更。
提案頂いた材料の直径が少し太かったのと、
そのまま使うと野暮ったくなりそうなので、
円形の材料の断面の両端を落として(太鼓にして)もらい、
スッキリとしっかり掴める手すりになりました

リビングのレースのカーテンは、
知多木綿で製作出来たらいいな~と思いつつ、
知多木綿のアンテナショップ478さんを訪問。

そんなに簡単にはいかなことがわかりました・・・・
でも、
たまたま知多の織屋さんで
大量にでてしまった不良品を(といってもストライプが一本飛んでいるだけ)、
分けていただくことが出来たので、
それを使って試作品的な形で、事務所のスタッフが作りました。

H様の承諾を頂いて、、、というより、一緒に楽しんでくださり、
リビングのレースのカーテンに採用して頂きました。
H様、有難うございます!

試作のため、色々問題はありますが、
ふわっとした感じが、とても素敵です。

畳の間のカーテンは、
H様が見つけてこられた知多木綿のショールを利用。

こちらも軽い感じが素敵です。
私も、1枚頂きましたが、知多木綿って、いいですよ~

 
 

知多の家リノベーション〜2階建てから平屋へ〜に関するブログは
以下からご覧になれます。
『2階建て→平屋へ 知多のリノベーション』
『2階建て→平屋へ-知多の家リノベーション』
『目立たない床下点検口』
 
 
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  • 所在地
  • 知多市
  • 構 造
  • 木造平屋建て(2階建てを平屋へ)
  • 延床面積
  • 約68㎡
  • 用 途
  • 専用住宅
  • 竣 工
  • 2020年(1978年建築)
  • 施 工
  • ダイツネ工務店
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